理想のレースカービング
姿勢について
アルペン姿勢は維持する
スネのロール角は平行
足首の角度は左右同じ
スキーを前にも後ろにも送りたくない場合、重心位置はCoPを起点とするスキーの垂直抗力とスキーの前後方向の加速減速力との合成ベクトルの上に置く
スキー板のデッキに対して横方向はできるだけ垂直に力をかける
どの局面でも実現したいこと
ゴール方向に mv^2 を増やす。
フォールラインと板が平行かつゴール方向に向いている瞬間にやりたいこと
位置エネルギーmghを増やす
フォールラインと直角に向いているときにやりたいこと
左右への加速をしないゴール方向へのmv^2 の増加
スケーティング
CoPとCoMの距離を長くすることで、重力に対して水平方向かつゴール方向に CoMを移動すること
デッキ面の垂直上にCoMがある場合に限定する定義も有る
ターン開始
CoMを体の可動域いっぱいまでゴール方向に移動するために必要なエッジグリップとエッジグリップ開始のターン局面とロール角度を決定
指定のターン局面まできたら、トップを雪面に沈める角度とロール角度を決定してCoPをスキーの設計の一番前へ移動する
CoPをスキーの設計の一番前へ移動する手段
膝関節の屈曲 など
CoMを体の可動域いっぱいまでゴール方向に移動する
体の可動域が限界になったら、CoPを踵に持ってきて「重心位置はCoPを起点とするスキーの垂直抗力とスキーの前後方向の加速減速力との合成ベクトルの上に置く」を解除して、それよりもCoMを後ろに持っていく。CoMとCoPの距離を長くする運動をすると、板がずれたり前に行く抵抗が強くなるので、CoMとCoPの距離を短くしても良いので重心をスキー後方に持っていくことを優先する。
水平面でのターン後半での加速
水平面においてスキーの加減速と垂直抗力の合成ベクトル上にCoMとCoPがあってその距離が長くなる仕事がなされるのであれば、推進力に影響はない。
水平面であっても、スキーの加減速と垂直抗力の合成ベクトルとCoMとCoPがなす角度が直角に近ければ、CoMとCoPの距離を長くする仕事はなんのやくにも立たないどころか、スキーを前後に動かす力に変換され、その速度が大きくなれば、抵抗や摩擦熱になって全て消費される。したがって、スキーを前にも後ろにも送りたくない場合、重心位置はCoPを起点とするスキーの垂直抗力とスキーの前後方向の加速減速力との合成ベクトルの上に置く原則を守りながら、推進する条件でCoMとCoPの距離を長くする仕事をする必要がある。
ターン後半ではロール角が十分小さい状況において CoMをCoPよりゴール側に出すことが可能。その局面においてCoMとCoPの距離を長くする仕事をすると推進する。
スキーはターン前半において推進したあと、その局面まで前に送ってから立ち上がるこどでCoMとCoPの距離を長くする仕事をする。
水平面でのターン後半での加速
斜度がある局面で位置エネルギーを高くしてポンピングすることで加速したい。しかし、それで立ち上がりきってしまうとロールすることができずに、ターンが継続しない。
とても横に長く行きたい場合、ロール角度を保ったまま、CoPーCoMを鉛直にして横に移動したい。そこまでにフォールライン方向へ移動する力を十分に小さくしておきたいのでその局面になる前に減速してもいいのでトップにCoPを寄せてエッジを雪面に食い込ませたままターンの60−70%で立ち上がりながら横移動していく。グリップをして板の支えを得られる瞬間にブーツが一番曲がっている状態にして、トランポリンの一番曲がったときに高くジャンプするためにとるべき行動を行う。板とブーツでトランポリンを作っておいて、グリップした瞬間がトランポリンが一番曲がる状態であるように道具を使ってください。
具体的にはグリップ力が最大になる0.05秒前にブーツが一番曲がってブーツが戻ってきたら他の関節を固めても重心がCoPから遠くなるような位置にCoMを運んでおく(膝は少し伸ばして重心は前に動かしてくる)。そこからCoMとCoPの距離を長くする運動をするが、そのままだとCoMが前にありすぎるばあいがある。ブーツを固くして前にいかなくても一番曲がった状態になるようにするか、重心をゴール方向に移動するか、踏んだら加速する斜度が大きい条件で実行して、つんのめることを回避していただきたい。
現実的な話
いくらアイスバーンでもエッジは研いで十分に長いスキーを使ってまともなターンをすれば滑落しない程度の環境で競技をする。
ペラペラのエッジで青氷を滑ることは想定していないので、ターン60−70%でエッジグリップをもらってそのあとロール角を起こさずにターンを引っ張ったぐらいが一番切り上がらなければいけないターンである。漕がないと横移動できないレベルに横に振ってある場合は考慮しない。
CoMを体の可動域いっぱいまでゴール方向に移動するために必要なエッジグリップとエッジグリップ開始のターン局面とロール角度を決定する方法
最大加重をかけたときに
横ずれ判定
視覚による判定
雪の壁が崩れているかどうか 断続的なうねりができている場合崩れている。崩れていなくてお雪の壁の形状のうち特に高さがターンマックスにかけて単調増加していない場合は、雪が支える力を使いけれていない。
感覚による判定 全体重を支えきるまでにでにどれぐらいスキーが流れてよいのか3段階ぐらいで覚えておく。一番沈む春の雪では踏み込んでから30cmぐらいで雪面の横方向の抵抗は最大になる。中間ぐらいの−5度程度の圧雪バーンでは5cmぐらいで少しズレ始めたかなぐらい。青氷であればスキーの曲がりも含めて3cmか2cmでつきあたる。思ったよりずれるのであれば、加重タイミングが早すぎたり、バランスが後ろ過ぎたりしていると考える。トップを沈めるときの前後の加重バランスでCoPがトップから40cmぐらいまで前に移動して体重の1.5倍程度の力をかけてロール角を60度程度にしても、それ以上雪面にエッジが入っていかないのであれば、それ以上エッジが入らないとかんがえる。エッジが入りきった瞬間にスケーティングで押してみて、板がずれる圧力を学習する。
ターン中はその圧力で押してみて、ズレた場合にロール角を3度刻みぐらいで増やして押す力は30kgぐらいずつ調整する。
全体の戦略
ポンピングによる推進が不可能な水平面で練習することによってスケーティングによって推進できる局面を学習する
水平面でスケーティングによって推進可能な0-1で表される位相は CoPのターン始動時からの軌跡の距離/ ターン全体のCoPの軌跡。
ターン30%ー50%と90−95%ぐらいがスケーティング可能な局面。
スケーティングすることによる推進力を速度と仕事量別に体感したらスケーティング成分による推進力を速度と仕事量から推定する事ができるようになる。押しているのに進まないなと感じたら重心をゴールに寄せて押す判断ができる。
その次にポンピングによる推進が有効な斜面での練習を行う。ポンピングは斜度最大で最も単位仕事量あたりの効率がよくなるのでそこでおしてみて推進力がどの程度か学習する。
50%から70%でポンピングしておいて、90%からスケーティング中心に切り替えるのが良さそう。
ターンの全局面を等速で実行すれば、位置での位相 = CoPのターン始動時からの軌跡の距離/ ターン全体のCoPの軌跡 と時間的位相は一致するけど、推進可能な局面にCoPを長く置くように操作すると、時間的に推進可能な位相が増える。 ターン前半の推進可能な局面を過ぎたら、板を一気にターン後半の推進可能な局面まで進める。その間仕事をするための可動域を作るために、CoP CoMの距離を短くしていく。仕事が有効な局面に差し掛かったら、一気に仕事をするのが速くターンするためのベストの戦略だろう。